今日の海外市場では、前週末の石油輸出国機構(OPEC)総会後に一段安となっている原油価格が材料視されそうだ。米原油先物ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が節目の40ドルを割り込んでいることから、資源国通貨は軟調となる見通し。特にロシア財政システムへの影響が懸念され、ルーブル・円は売りが強まると想定する。

OPECは4日の総会で、原油日産量の上限を3150万バレルに設定することで合意し、減産を見送った。これを受け、世界的な供給過剰が長期化するとの観測が高まり、WTIは採算ラインといわれる40ドルを割り込んだ。加えて、4日発表の米雇用統計が堅調だったことで、ドル相場が対主要通貨で上昇していることも下落圧力となろう。WTIは週明けの時間外取引で一段安となり、一時39.20ドルまで下落。11月21日に付けた直近安値38.99ドルを下抜ければ、次の下値メドは8月24日に付けた年初来安値37.75ドルだ。

こうした一段の原油安により、豪ドルやカナダドル、ロシアルーブル、ブラジルレアルにネガティブなインパクトを与えそうだ。このうち、ロシアは、原油が一段と下落すれば財政システムを維持できなくなり、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性も否定できないと4日付のドイツ紙「ディ・ヴェルト」に報じられたことが意識されよう。ルーブル・円はアジア取引時間帯に一時節目の1円80銭を割り込み、2カ月ぶりの安値圏まで下落。欧米市場でもルーブル売りが続く展開を想定しておきたい。

【今日の欧米市場の予定】

・24:00 米・11月労働市場情勢指数(予想:1.2、10月:1.6)
・02:30 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(金融政策)
・05:00 米・10月消費者信用残高(予想:182.5億ドル、9月:289.18億ドル)



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