17日のニューヨーク外国為替市場でのドル円は、ダウ平均が一時310ドル超下落したことで112.02円まで下落後、タカ派的な米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて112.68円まで反発した。ユーロドルは、イタリア政府高官が「2019年予算が欧州委員会に拒否され、格付け会社が格下げする可能性がある」と述べたことで1.1496ドルまで下落した。
本日の東京市場のドル円は、米財務省の為替報告書で対日貿易赤字への懸念が示されたことで、日本の9月の対米貿易黒字に注目する展開となる。
米財務省の為替報告書では、中国の為替操作国認定は見送られたが、中国に対して、最近の人民元安を受けて相場動向を注視すると通告し、中国人民銀行による直接的な介入は「限定的」だが、中国が為替介入を開示しないことは「極めて遺憾」だと批判した。日本に関しては、監視対象国指定が維持され、大幅な対日貿易赤字が続いていることを引き続き懸念しているとした。
日本の9月の貿易統計では、対米貿易黒字の金額に要注目となる。拡大基調のままならば、来年1月からの「日米物品貿易協定(TAG)」を巡る通商協議で、日米貿易不均衡是正の圧力、自動車関税や為替条項の思惑から、ドル円の上値を抑える要因となる。
今年8月の対米貿易黒字は4557.87億円、昨年8月は5333.78億円、9月は6147.02億円だった。
9時半頃から黒田日銀総裁が支店長会議であいさつするが、2019年10月の消費増税を見据えたフォワードガイダンスに関して、参議院選挙、あるいは衆参同日選挙前の消費増税延期というシナリオが念頭にあるのではないか、との市場の憶測を確認することになる。
経済指標では、9月豪雇用統計(予想:失業率5.3%/新規雇用者数1万5000人)が発表されるが、8月に続いて好調な雇用統計となった場合は、豪ドル円の買い、8月の反動で悪化していた場合は、豪ドル円の売りとなり、円高要因となる。
ユーロドルは、欧州委員会が22日までに公表する予定のイタリアの2019年予算案に対する審査結果で拒否された場合、イタリアの格下げの可能性もあることで軟調推移が予想される。

US Dollar vs Yen (FX:USDJPY)
Forex Chart
From Apr 2024 to May 2024 Click Here for more US Dollar vs Yen Charts.
US Dollar vs Yen (FX:USDJPY)
Forex Chart
From May 2023 to May 2024 Click Here for more US Dollar vs Yen Charts.