(ビジネスワイヤ) -- 東芝は、機能安全注1に対応し電動パワーステアリングシステム(EPS:Electric Power Steering)用途への利便性を増した車載向けブラシレスモータ注2用プリドライバIC「TB9081FG」を製品化しました。2015年9月1日からサンプル出荷を開始し、2017年8月から量産を開始する予定です。

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東芝:車載EPS向けブラシレスモータ用プリドライバIC 「TB9081FG」(写真:ビジネスワイヤ)

非常に高い安全性が要求されるEPSシステムでは、機能安全規格ISO 26262で規定されている最も高い自動車安全度水準であるASIL-D注3を求められるケースが多くなっています。

本製品は、3相プリドライバ注4回路、フェイルセーフリレー用プリドライバ注4、およびモータ電流検出回路注5のほか、電源の高電圧・低電圧検出や過熱検出などの異常検出回路を内蔵しています。さらに、Latent-fault(潜在的な故障)を検出するために異常検出回路の診断回路を内蔵し、機能安全の向上を図っています。

また、当社では様々なシステム異常を想定した機能安全分析を実施しており、ユー�ーが安全設計・安全分析を行う上で必要となる機能安全FMEDA注6などの各種ドキュメントを提供します。

新製品の主な特長

1.各種異常検出回路(機能安全を考慮)バッテリ電源の高電圧/低電圧検出回路、5V電源の高電圧/低電圧検出回路、IC内部過熱検出回路、FETショート検出回路注7を内蔵しています。

2.異常検出回路の診断回路(機能安全を考慮)Latent-fault(潜在的な故障)を検出するため、異常検出回路の診断回路を内蔵しています。

3.フェイルセーフリレー用プリドライバ回路を内蔵モータとMOSFET(ドライバ)の間、電源側とMOSFET(ドライバ)の間、それぞれに接�される半導体リレーを駆動するセーフティリレー用プリドライバを内蔵しています。モータ側3chと電源側2chの計5chのプリドライバを内蔵していますが、それぞれに入力端子を持っているため独立した�御が可能です。

4.バッテリ低電圧動作に対応アイドルストップ時に一時的に電圧が5�程度まで低下するクランキング動作を考慮し、バッテリ動作の電源電圧範囲は4.5�(min.)としています。

5.異常時のプリドライバ動作を選択可能異常を検出した時、ICで外部ドライバをストップするか、または、システムでドライバを�御するかをSPI通信注8のレジスタ設定を変えることにより選択することが可能です。これにより、アプリケーションやシステムの違いによってIC�御、またはシステム�御を選�ことが可能になるため、様々なシステムに適用することができます。

 

新製品の主な仕様

品番   TB9081FG 量産開始予定時期 2017年8月 量産規模 年間100万個 プリドライバ

チャネル数

11ch内蔵

(Highサイド3ch、Lowサイド3ch、セーフティリレー用5ch)

動作電源電圧範囲

+4.5~18V

動作温度範囲

-40~125℃

プリドライバ入力信号 ダイレクト�御に対応 異常検出回路 VB高電圧/低電圧検出回路、VCC高電圧/低電圧検出回路、IC内部過熱検出回路、FETショート検出回路 電流検出回路 モータに流れる電流を電圧に変換し、マイコンへ出力 パッケージ   LQFP64-P-1010-0.50E(12.0mm × 12.0mm × 1.6mm) 注1:   機能安全とは、電気・電子システムの機能不全が引き起こす故障によるリスクを許容できるレベルまで下げるという考え方です。特に第三者に対して、システムが安全であることを合理的に説明できることが重要となっています。自動車向け機能安全の規格である「ISO26262」では、機能安全を正しく実現するための開発プロセスなどが規定されています。 注2: 整流子(ブラシ)を備えないモータ。 注3: ASIL: Automotive Safety Integrity Level (自動車安全度水準) 注4: MOSFETを駆動するためのドライバ 注5: モータに流れる電流を電圧に変換し、MCU:Micro Controller Unitへ出力する回路 注6: FMEDA:Failure Modes Effects and Diagnostics Analysis (故障モード影響診断解析) 注7: モータを駆動するドライバ(MOSFET)のドレイン-ソース間のショート異常を検出する回路 注8: SPI:Serial Peripheral Interface(同期式シリアル通信)  

新製品のさらに詳しい仕様については下記ページをご覧ください。http://toshiba.semicon-storage.com/info/lookup.jsp?pid=TB9081FG&region=jp&lang=ja

お客様からの製品に関するお問い合わせ先:車載�業推進部 Tel: 03-3457-3428

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