北米タイムはBrexit(英国のEU離脱)リスクが再び意識され、ポンドが急落した。世界経済にとっても懸念であるBrexitへの不安から、リスク回避姿勢が強まった。産油国高官が原油相場の下支えに消極的な姿勢を見せたことで原油が下落したことも、リスク回避要因として加わった。両材料を受け、ダウ平均が前日比150ドル近い下振れを見せるなど、米株の推移もさえなかった。
ドル円は、市場のリスク回避姿勢の強まりを受け、110.50円まで下落。米景況関連の指数に弱いものが目立ち、米長期金利が1.82%台まで下振れたことも重しだった。米5月シカゴ購買部協会景気指数は予想を大きく下回って、節目の50を割り込む弱さ。米5月ダラス連銀製造業活動指数は-20.8と、前月の-13.9からマイナス幅が拡大。一部では改善も予想されていたが裏切られる格好となった。
調査会社ICMによる英国のEU離脱に関する調査で、残留派44%・離脱派47%(※オンライン調査)、残留派42%・離脱派45%(※電話調査)と離脱派が優位に立った。英経済への悪影響が懸念され、ポンドドルは6営業日ぶりの安値1.4465ドル、ポンド円は159.86円と高値から4円以上も売られた。
ユーロは対ポンドでは0.77ポンド目前までユーロ高となったが、対ドル・対円ではポンドに連れ安。Brexitがユーロ圏に及ぼす悪影響も懸念される。ユーロドルは1.11ドル前半まで押し戻され、ユーロ円は122.98円まで下落幅を広げた。
原油相場は一時50ドル台を回復する底堅さを示したが、UAE(アラブ首長国連邦)石油担当相から「原油市場に満足」「我々は楽観的」と、相場の下支えに消極的な発言が聞かれると48ドル台へ下振れた。ドル/加ドルは一時1.3134加ドル、加ドル円は84.15円まで加ドル安となった。
他の資源国通貨も米株安によるリスク回避で下押したが、金価格の底堅さが豪ドルを下支え。豪ドル/ドルは0.72ドル前半、NZドル/ドルも連れて0.67ドル半ばで下げ渋った。豪ドル円は一時79円後半、NZドル円は74円半ばまで水準を下げた。
6時現在、ドル円は110.73円、ユーロドルは1.1132ドル、ユーロ円は123.25円で推移。

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